発想アラーム

 

 

マンネリや惰性から脱出する方法について私流をお話します。

 

日常の仕事は、暗黙のルールも含め、定められた方法、定められた基準に沿ってすることが大切です。日々、スムーズにかつ確実に作業を処理していくには、様々な関連部門の人たちとの協調が必要だからです。

 

しかし、それに縛られ過ぎると次第に時代に取り残されてしまいます。仕事を進めるには、慣れ親しんだ考え方、慣れ親しんだ手順に囚われ、そこに安住したい気持ちは分りますが、いつかは必ず破綻をきたします。常に新しい考え方や仕組みを採り入れるのは非効率ですが、適切な時期々々に新しい考え方を採り入れていけないのです。

 

そうは言っても、日常の仕事に追われていると、中々新しい発想をすることを忘れてしまうものです。また、何をもって新しい発想をするのかと言うきっかけも掴めません。

 

私は、それに対応する「アラーム装置」を持っています。それを作動させる鍵は、次のような言葉や思いです。「常識だよ」「当たり前だ」「昔からそうになっている」「皆もそう言っている」「決まっていることだ」「ルールだから」「そんなこと知らないの」などです。

 

それらの言葉が、人から、また自分から発せられたと同時に、アラームが発せられます。それは、「・・エッ? チョッと待って!」と言うアラームです。その後すぐに、「本当にそうなのかな?」「そうとは言えないのでは」と自分に問いかけることにしているのです。その場で答えが出る場合もありますが、殆どの場合はじっくり考える必要があります。もちろん、あえて採り上げる必要が無いものもいっぱいありますが。

 

基本的には、「常識だよ」で納得して流されることなく、それをきっかけとして疑問をもつ習慣(習性)が重要なのです。全てのアラームに引っかかっている訳にはいきませんが、その中には重要なポイントが結構含まれています。重要だと感じたら、簡単に答えを出さずに、じっくりとしつこく考えることが大切です。安易な答えを出さないようにしなければいけません。頭がキレて仕事が出来るという人の中には、パッパと判断して答えを出す人がいますが、必ずしも本質をついていない場合があります。経験知での判断が殆どだからです。少し鈍いと言われても、深く考えることの方が大切だと思いませんか。そのように考える習慣を身に付けることも大切ですね。しかし、本質的な「あるべき姿」は、壁の向こう側にあります。その壁を越える努力が必要なのです。普通(の人)は、壁があると考えるのを止めてしまいますが。

 

脳に汗かいて考えていくと、今、これから必要な「あるべき姿」が見えてくるはずです。始めはぼんやりしているかも知れません。これに色々な情報を重ね合わせていく内に、全体の骨格ぐらいは見えてくるでしょう。この、発想法は、先に書かせて頂いた「ブレークスルー」に通じるものです。

 

まずは、アラームに反応する癖をつけてみたらいかがですか?